天の川とHOTELハイランドしらびそ

EOS5D3+EF24-105mm/f4L+Pro1D Softon-A, 24mm, RAW
星空:SS=15sec, f5.0, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
前景:SS=15sec, f5.0, ISO=6400 x1枚(ソフトフィルター無し)
2015年9月11日(金)~13日(日)の新月期2夜にかけてしらびそ高原へ遠征に行って来ました。
先月の新月期に初めてしらびそ高原で見た素晴らしい星空が忘れられず、今月も天候に恵まれそうだったので再び来てしまいました。
金曜夜、仕事上がりで高速を飛ばして日付が変わる頃に山上のハイランドしらびそに到着。
最初からメインポイントとなる土砂捨て場へ向かおうかと思いましたが、一度ハイランドホテルを入れて星景を撮りたいと思っていたので、まずはホテル駐車場前の広場で撮影することにしました。
(上写真)
カシオペヤを際立たせたかったのでソフトフィルターを使いましたが、客室の灯りが眩しく滲みが広がり過ぎるので、フィルター無しショットを前景用に撮って合成してみました。
さすがに星空の滲みに対して建物がシャープ過ぎて不自然かな~とも思えますが、まあ自己満足の世界なので、良しとしましょう。
東空に昇って来たオリオン~プレアデス

EOS5D3+EF24-105mm/f4L+Pro1D Softon-A, 24mm, RAW
星空:SS=15sec, f5.0, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
前景1:SS=15sec, f5.0, ISO=6400 x16枚(前景基準加算平均)
前景2:SS=15sec, f5.0, ISO=6400 x1枚(境界線処理用)
赤道儀を持っていないので、現在は固定撮影で数ショット撮ったものをDeep Sky Stackerで恒星基準コンポジットしているのですが、レンズ収差の影響で周辺部の星が放射状に流れてしまうのが残念です。
都市星景では気にする必要がなかったことが恒星基準合成だと課題になってしまいます。
やはり赤道儀欲しいですねぇ~。
この後、西空側の透明度が下がって来たように感じたので、場所を移動して確認してみると、土砂捨て場方面が雲海に包まれているのが見えました。
急いで機材を再セッテイングしようと試みましたが、西風で雲海の低層雲が巻き上がり、あっという間にこちら側に昇って来て辺りを包み込んでしまったので、撮る事が出来ませんでした。
土砂捨て場(約1800m)とハイランド(約1900m)は標高差があるので、今晩は土砂捨て場で撮影している方はもっと条件厳しかっただろうな~と思いながら、一瞬雲が下がったタイミングを狙って雲海と東空を撮ってみましたが、新月期だけに雲海側の露出がまともに上がらず、加算平均用のコマを撮る前に再び雲に包まれ、敢え無く終了となってしまったのでヒドい絵です(↓)。

EOS5D3+EF24-105mm/f4L+Pro1D Softon-A, 24mm, RAW
星空:SS=41sec, f5.6, ISO=6400 x1枚
前景:SS=144sec, f5.6, ISO=6400 x1枚
月齢28.2の下弦の月(晦日月)

EOS5D3+EF100-400mm/f4.5-5.6L, 400mm, RAW
SS=1/10sec, f5.6, ISO=100 x1枚
薄明を迎え、東空から登って来た下弦の月。
あまりに細いので見逃してしまいそうです。
明日はいよいよ新月です。
朝焼けと明の明星:金星

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
SS=5sec, f10, ISO=1600 x1枚
Photoshop CS5で過剰レタッチ
朝焼け

それでは、夜が明けたのでお昼ぐらいまで眠ることにします。
☆南アルプスしらびそ高原遠征#2 ーDAY2-

おはようございます。良い天気です。
しらびそは標高が高いので、夏でも夜は冷え込みますが、日中は日差しが強いので、車内で寝ていられなくなります。
暑くて目が覚めたので、ハイランドホテルで温泉に入り、昼食を頂くことにしました。
昼食の後はホテル周辺を少し散策。




散策後は土砂捨て場に移動し、今晩の撮影に備えます。
先月お会いしたNさんやSさんも来ておられたので、今日もご一緒させて頂くことにしました。
Nさんによると今日は東西合同の撮影会をするとのことで、午後から大勢集まりにぎやかになるとのことでしたが、まだメンバーが到着していないようだったので、土砂捨て場南端の崖っぷちポイントに陣取らせて頂きました。
日が暮れるまではしばしビールを飲みながら座談会です。
しらびそは天文屋が多くて皆さんマナーも良いですし、何よりこの開放感がたまらないですね。

日没時刻
西から湧いて来る雲がなかなか引いてくれません。
しらびそではよくあるパターンで、先月も同様でしたが日没の時間帯はよく雲が流れてくるそうです。
21時頃、お約束通り、雲の湧き出しが弱まり、眩いばかりの星空が姿を見せ始めました。
皆さん、ガイド星の導入など機材のセッテイングで急に慌ただしくなり始めました。
いよいよ本番開始です。
MILKY WAY

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
星空:SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
前景:SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x1枚
こちらはガイドはおろか赤道儀すら無しの三脚固定撮影なので、セッテイング自体は楽で良いですが、広角とは云え対して露出が掛けられず、コンポジット用に複数枚撮ってもレンズ収差で星像が荒れてくるので、星景・星野用に一台ポータブル赤道儀でも買おうかなと、皆さんの機材を見ていると本気で思えてきます。
しらびそは本気度の高い天文屋が集まるので、良い刺激になりますね。
南空のフォーマルハウト(みなみのうお座)とみずがめ座

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
この時期は時間が遅くなるにつれ、天の川が南西~西空へ移動していくので、真南の空が少し寂しくなります。
その中でひと際輝く唯一の1等星フォーマルハウト。
低空が明るいのは浜松の街灯りでしょうか。
これほど明るいとは驚きです。
時々流れてくる邪魔な雲

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
星空:SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x12枚(恒星基準加算平均)
湧き出す雲量は減りましたが、まだまだ時々流れてくるので、狙ったカットの撮影開始タイミングには気を遣います。この点は追尾でなく固定撮影なので、移動して行ってしまう星に対して、短時間連続カットで必要枚数撮っておかないとコンポジットに影響するので、油断出来ません。
天の川(夏の大三角形付近)

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
天頂付近の天の川は一様に空が暗く、広角で撮っても地上景色の影響を受けないので、逆にレタッチの自由度が高くて、どの程度に調整するか悩みますね。
それに周辺減光も目立つので、難しく感じます。
まだまだ改善を重ねないと納得できる仕上がりに出来そうにありません。
MILKY WAY(デネブ~カシオペア付近)

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
こちらも天頂付近なので、同じですね。
かなり改善の余地ありです。
WINTER MILKY WAY(ペルセウス~オリオン付近)

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
夏は濃い銀河の色を放つ天の川を伴う躍動感とスケール感に満ちた星空。
冬は多数の1等星や星団の瞬く煌めきに満ちた宝石箱をひっくり返したような星空。
同じ星空でも、夏と冬は本当に印象が違っているので見ていて飽きません。
MILKY WAY(西空に沈むデネブ~カシオペヤ付近)

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
星空:SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
前景:SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x1枚
沈んでいく白鳥を見ると秋の季節感を感じます。
極上の星空の下で眠る

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
星空:SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
前景:SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x4枚(前景基準比較明合成)
たまには自分撮りしてみる。
ライトの当て方と照射時間が意外と難しい。
東空の冬の星座

EOS5D3+EF24-105mm/f4L, 24mm, RAW
星空:SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x16枚(恒星基準加算平均)
前景:SS=15sec, f4.5, ISO=6400 x16枚(前景基準加算平均)
午前4時10分。天文薄明が始まったので、今回最後の星景カットです。
薄明~夜明け

時折雲の邪魔が入りましたが、2日間とも収穫はあったので、良い遠征でした。
今回は人も多く集まっており、雲で広角星景が撮れない間は皆さんの機材を見せてもらったり、40cmドブソニアンを持ち込んでいる方がおられたので、覗かせてもらったり、なかなか充実した時間を過ごすことができました。
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