【遠征】白川郷/五箇山~小松 遠征旅行 #1
~世界遺産~ 白川郷 荻町合掌集落

EOS5D3+EF24-105mm/f4L IS USM, 24mm, RAW
SS=15/10/1.6sec, f22, ISO=400 x各1枚
Photoshop CS5 HDR合成+絵画調レタッチ
今回は過去ネタです。
昨年のシルバーウィークに行って来た世界遺産白川郷と小松基地航空祭の旅記録を3回に分けてUPします。
【1日目】 2015年9月19日(土)
白川郷 荻町合掌集落
今回の目的は合掌集落と星景写真を撮ること。
ですが、シルバーウィーク中の夜間天気予報は五分五分といったところなので、撮れたらラッキーぐらいの気楽な気持ちでリフレッシュも兼ねて行って来ました。
深夜に名古屋を出発し、東海北陸道を飛ばして午前5時30分頃、白川郷ICを降りる。
夜が明ければ付近が大渋滞することは容易に想像できるので、早朝に現地入りしてまずは合掌集落が見渡せる「荻町城跡展望台」から朝霧の立ち込める静かな朝景色を拝み、合掌。

岐阜県大野郡白川村にある荻町合掌集落は、かつては秘境と呼ぶにふさわしく、何時間も山道を走っていかなければ辿り着けず、ようやく辿り着いた先に突然現れる合掌造りの荘厳な集落に毎度感動を覚えた記憶がありますが、現在は高速道路が開通し、観光客数も格段に増えているので、秘境とは程遠い印象に変わってしまったのが少し残念ですね。

でも、集落内が整備されて綺麗になっているのは良いです。

過疎で消滅してしまうかもしれなかった合掌造りの伝統技術が、世界遺産登録によって維持できているのは喜ばしいことです。

今朝は良い具合に朝霧雲がかかりました。

納屋も合掌造り。
早朝の合掌集落を拝んで清々しい気分になったところで、眠くなってきたので、集落の北方面2kmぐらいにある道の駅「白川郷」に車を停めて少し眠ることにする。
ちゅんちゅん。
9:30 おはようございます。
さて、よく寝たので、再び活動開始です。
シルバーウィークとあって村営駐車場と付近道路の大渋滞が予想されるので、ここからは機動力を車載自転車に切り替えて行動します。
まずは道の駅内のお店で腹ごしらえ。

山間部ならではの 「熊うどん」。
パワーがみなぎってきた気がします。
天気は上々、クマにエネルギーをもらったので、三脚と撮影機材を背負って集落まで颯爽とサイクリング。
このまま夜まで晴天が続くことを祈りながら、インターから駐車場まで数珠繋ぎとなった観光客の車両の列を横目に走り抜ける。
集落内に入り、自転車を停めたらここからは歩いて回ります。
荻町集落には、主に以下の4つの通りがあり、それぞれ特徴が違います。
【本通り】:集落の中央を南北に貫通する大通りで、土産物屋や飲食店などが集中。
【東通り】:白川郷といえばココ!という有名な建物や景色が集中する通り。
【西通り】:東通りに比べると地味で人通りも少ないですが、お寺もあり厳かな雰囲気。
【山越通り】:東通りの更に山側の道で、人界と自然界の境界線的な不思議な空間です。
今回は夜の星景撮影場所探しも含めて、東通りをメインに撮影することにしました。

明善寺庫裡郷土館(手前)と明善寺本堂(後方)

スイレン池と和田屋(左後方)

明善寺庫裡郷土館。
ここの合掌が一番お気に入りかな~。
気付くといつも撮影枚数が一番多い。

さっき城跡展望台から見た納屋。

白川郷合掌文化館(旧松井家)

すすき。

あさがお。

和田家。
そういえば、集落内の電柱電線がなくなりましたね。
昔は電線が風景に似合わないな~と感じていた記憶がありましたが、後から調べてみたら、'98~'09年頃に景観美化と合掌造りの火災リスクの観点から国の助勢を勝ち取り、埋設電線化が実現したとのことです。

今年は気候のおかげで例年より米の収穫時期が遅れいるそうで、ちょうど黄金の絨毯を見ることが出来ました。

食事処「たなか屋」の前で三脚機材を降ろして一服していると、スイスで映画監督をしているという白人男性と付き添いのアシスタント女性から声を掛けられる。
「この村がとても気に入りました。是非ともここで映画撮影をしてみたいのだが、誰に許可を取れば良いだろうか?」
・・・なぜ私に聞く?
当然知るはずがないので、とりあえず色々世間話した後、営利目的の撮影であれば一度観光協会に問い合わせてみることをお勧めしてみました。

パンフレット等で有名な3つ子合掌とコスモス。
手前が囲炉裏カフェ「落人」、左奥が「神田家」、右奥は不明。(一般民家 or 神田家の別棟?)

手前から「軽食処ちな」「土産屋 合掌庵」「明善寺庫裡郷土館」「明善寺本堂」。

明善寺庫裡郷土館とすすき。

明善寺庫裡郷土館。

明善寺の鐘楼門。

明善寺の鐘楼門。

明善寺の南側付近。

明善寺の裏手、少し寂し気な山越通り。
見えているのは民宿「久松」。

明善寺庫裡郷土館。

長瀬家。

長瀬家。

長瀬家。

和田家。
午後2時過ぎに一度撮影を切り上げて、集落内で軽く食事を摂る。
そして夕刻の撮影に備えて一度車に戻る。
道の駅まで自転車で戻る途中、こじんまりとしたロッジ風の雰囲気の良いカフェを見つけたので、休憩がてらに寄り道して珈琲とケーキを頂くことに。
完全に写真撮り忘れてましたが、お店は「白川郷 古民家Café アカリヤ」さん。
集落内は混雑するが、少し離れると観光客はほとんど通過するのみ。
店内も空いていたので、店主の親父さんとしばし談話する。
「お互い自営業は大変だね~」って世間話から、世界遺産登録後に観光地化が進み、次第に様相が変化してきた白川村の状況、高速道路の開通と一過性観光客の増加、外国人観光客の急増、恩恵享受不均衡による格差拡大など、地元ならではの切な問題に至るまで色々話を聞かせて頂き、文化存続に関して改めて考えさせられる貴重な時間となりました。
最近よく感じますが、情報化や交通利便性が発達し、世界中に星の数ほどある観光地に容易にアクセス出来る世の中になって来ましたが、単に「行って来た」「見て来た」というコンプ商品のような消費観光の傾向が強くなっている気がします。
初めて出会う光景は確かに新鮮ですが、そこには間違いなく人の営みがあり、歴史があり、長い時間とそうなった理由を伴って育まれてきた文化が存在します。
ガイドブックには載らない小さな理由や政治・利害関係、過去の事件事故など、もちろん全てを知ることはできませんが、単なる観光旅行の中にも、こうした要素に触れる機会を含めることで、その土地・文化にもっと愛着を感じることが出来るので、観光客相手ではない地元の方の生の声を聴ける機会を大切にして行きたいですね。
17:30、夕刻の合掌風景を狙う為、三たび出陣。

もう一度城山に登り、今度は城跡展望台の少し東側にある天守閣展望台から撮影。
合掌造り集落に灯が入り始めました。

ライトアップの無い日は、完全に日が暮れると窓灯り以外がほぼ真っ暗に落ちてしまうので、わずかに空の明るさが残る夕暮れ時のほんの短い時間となるマジックアワーが特に美しい景色を魅せてくれます。

集落のメインストリート「本通り」。
夜の帳が降りましたが、夕方から雲がたくさん沸き出し、今晩は星空が拝めそうにありません。
それにライトアップも行われていないので、夜間をどう過ごすか思案していました。
そこで、先ほどのカフェ「アカリヤ」の店主さんから、荻町集落の近くにある「合掌造り民家園」が、本日は夜21時まで開園しているとの情報を得ていたので、行ってみることにしました。
※8/29-30に荻町集落で行われた「美濃和紙あかりアート」イベントで使われたあかりアートが、合掌造り民家園にて引き続き9/30まで展示されているとのこと。
せせらぎ公園駐車場に隣接した「合掌造り民家園」

贅沢なスペースを使った造りと暖色照明が山里の生活と温かみを感じさせます。

縁側に並べられた「和紙あかりアート」。
暖かい灯火が合掌造りの建物によく溶け込んでいます。

和紙で作られたとは思えないほど綺麗に精密に作られているものがたくさんありました。

豪雪の厳しい生活環境の中で、少しでも季節の楽しみや感動を望んで、人の手によって植えられるちょっとした草花があちこちにあります。こうした草花にもきっと誰かの気持ちが籠っているので、安易に引き抜いたり踏ん付けたりしないようにしましょう。

縁側の灯り。

ひっそりと佇む合掌造り。

庭先に並べられた和紙あかりアート。

合掌造りの囲炉裏端。
ちょっと綺麗過ぎる気もしますが、これはこれで良い雰囲気です。

閉園時間の21:00を回り、追い出されるように民家園を跡にする。
すっかり夜も更けましたが、相変わらず星空は現れそうにないので、本日の活動はこれにて終了です。
道の駅に戻って、車内を寝室仕様に組み換え、虫の音を聴きながら就寝です。
おやすみなさい☆
- 関連記事
-
- 【遠征】白川郷~奥飛騨平湯・高山② ―奥飛騨平湯編―
- 【遠征】白川郷~奥飛騨平湯・高山③ ―高山編―
- 【遠征】白川郷/五箇山~小松 遠征旅行 #1
- 【旅行】島根県松江&出雲
- 【星撮遠征】ペルセウス座流星群撮影遠征@石川県輪島